中型犬

甲斐犬Kai Ken

犬種	甲斐犬
英語表記	Kai Ken
サイズ	中型犬
体高	オス：47～53cm / メス：42～48cm
体重	12kg〜18kg
平均寿命	14〜16年

甲斐犬の特徴

甲斐犬は中型犬で、筋肉質でしっかりとした体型を持っています。脚は強く、俊敏さを兼ね備えたバランスの良い体格が特徴です。尻尾は高く持ち上がり、背中の上で巻かれるか、直立していることが多いです。耳は三角形で立っており、表情豊かな顔つきを引き立てます。毛質は硬く、直毛で、防水性が高く、二重被毛となっています。外毛はしっかりとしており、内毛は柔らかく密生しています。被毛の色は主に黒虎毛、赤虎毛、虎毛の三種類があり、それぞれが美しい模様を形成します。特に人気のある毛色・パターンは黒虎毛で、シックで堂々とした印象を与えます。甲斐犬は主に日本での知名度が高いです。特に山梨県では「甲斐の守り神」として大切にされています。その忠実さと優れた狩猟能力から、日本国外でも一部の愛犬家には知られています。

甲斐犬の性格

甲斐犬は日本の古代犬種で、独特な性格を持っています。彼らは非常に忠誠心・独立心が高く、飼い主に対して強い信頼関係を築きます。そのため、番犬としても優れており、家族や財産を守る意識が強いです。一方で、吠えやすさには個体差がありますが、警戒心が強いため、外部の脅威に対して吠えることが多いです。遊び好きでエネルギッシュな一面もあり、日常的な運動が必要なため、都市部のマンションでの飼育には向いていません。プライドが高く、頑固な面も見られますが、根気よくしつけを行えば、問題なく飼育できます。特に幼い頃からの社会化が重要で、早期訓練により他の動物や人々と円滑に共存することができます。甲斐犬の特に秀でた特徴はその賢さと忠実さです。適切な訓練を行うことで非常に優れたパートナーとなり、唯一無二の信頼関係を築くことができるでしょう。

甲斐犬の飼い方

甲斐犬のブラッシングは週に1～2回行うのが理想的です。毛玉ができてしまうということは少なく、比較的被毛のお手入れが簡単です。換毛期には大量に毛が抜けますので、こまめなブラッシングが必要になります。1日の運動量は1～2時間が目安です。甲斐犬にとって、散歩や遊びを通じてエネルギーを発散させることが大切で、精神的な刺激も必要です。甲斐犬は寒さには比較的強いですが、暑さには弱い傾向があります。夏場は涼しい場所を確保し、エアコンや扇風機を活用するのが良いでしょう。最適な室温は20～25度、湿度は40～60%が理想的です。シャンプーは、汚れがひどい場合はその都度対応します。シャンプー後はしっかりと乾かし、湿気による皮膚トラブルを避けましょう。

甲斐犬の歴史・起源・生態

世界には700～800ほどの犬種があり、これらは国際畜犬連盟（FCI）により10のグループに分類されます。甲斐犬はループ5（スピッツ及び原始的な犬種）に分類され、山梨県（旧甲斐国）を原産とする古代犬種です。山岳地帯での狩猟犬として、イノシシやシカなどの大型獣を狩るために飼育されてきました。原産地の厳しい環境に適応し、優れた運動能力と持久力を持つようになりました。日本で品種として認められたのち、第二次世界大戦後に甲斐犬の数は減少しましたが、保存活動が行われ、甲斐犬の純血性が保たれたという歴史があります。甲斐犬が特に注目されたのは、その優れた狩猟能力と忠実さからです。狩猟犬としての役割を果たしつつ、家庭犬としても人気が高まったという経緯があります。日本の天然記念物にも指定されています。

甲斐犬の気を付けたい病気

アレルギー性皮膚炎、疥癬、白内障、外耳炎、前十字靭帯断裂、認知症

甲斐犬の一口メモ

甲斐犬の価格はさまざまであり、一般的に20万円前後から始まる場合もありますが、高品質な血統や健康状態、また販売者や地域によってはそれ以上の価格がつくこともあります。甲斐犬は日本の文化に深く根ざし、歴史や文学作品に多く登場しています。その名前の由来は、甲斐国（現在の山梨県）での武士の飼い犬としての役割から来ています。武士の飼い犬としての伝統的なイメージから、海外でもその歴史的な価値が認められ、人気を集めています。

獣医師監修

本記事は、信頼性・正確性向上のために、獣医師資格保有者が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは下記をご参照ください。

この記事の執筆者 / 監修者

獣医師ニノマユ: 獣医師免許を取得後、都内動物病院にて小動物臨床に従事。その後はペット損保会社にて保険査定や犬猫～エキゾチックアニマルまでの健康相談業務などを担当しておりました。現在は、動物業界の課題について広く視野を持ちたいという想いでweb業界にて働いています。大学時代は動物行動管理学研究室に所属。一番好きなのは羊で繁殖～出荷を経験しました。