ウクライナのペット1.7万頭以上を支援・日本への避難者ペット医療費サポートも継続【アニコム損保】

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アニコムが「ウクライナのペット救援募金」を実施

▲ウクライナ避難者のペットのケアを行うIFAWのスタッフら(写真提供:IFAW)


はじめに、ウクライナのペットの犬猫や動物の現状を調べてみました。2023年2月の調査をまとめてあります。

2022年2月にウクライナで勃発した戦争により、人間だけでなく、多くのペットにも被害が及びました。

アニコムでは、ウクライナのペットと飼い主を支援するため「ウクライナのペット救援募金」プロジェクトを2022年3月17日から4月18日に実施。

アニコムが1万人の寄付金と、アニコムから1,000万円を合わせた約5,600万円を、2022年5月にIFAW(国際動物福祉基金)に寄付しました。

ウクライナのペット1.7万頭以上への獣医療を提供するなど、戦争で被災したペットとその飼い主たちの命と生活を支えるべく活用しています。

寄付金の使いみちは

寄付金の使途について

これまでにおよそ寄付金の半分の22万5,000米ドル(2022年5月の為替レートで約2,900万円)をIFAWによる以下の支援プロジェクト推進のために活用。

  • ウクライナ国内の5つのシェルターに対して緊急助成金。
    破壊された施設の再建や獣医療の提供といった緊急のニーズに対応(53,500米ドル)
  • ウクライナ南部のオデーサと北東部のハルキウの獣医療施設を支援。
    避難者や市民・シェルターのペットに対して
    • ワクチン接種
    • マイクロチップ装着
    • 避妊・去勢手術を実施(171,500米ドル)
    • 取り組みの結果として、1.7万頭のペットが診療を受けることができました。

▲左:オデーサの診療所/右:ハルキウの診療所(写真提供:IFAW)

残りの寄付金はUSAVA(ウクライナ小動物獣医師会)と協力予定

残りの寄付金については「ウクライナ小動物獣医師会」と協力して、下記に使用する予定です。

・ペットやシェルターの保護動物に獣医療を無償提供
・シェルターの保護動物たちに食料を無償提供

現地の獣医師からのメッセージ


IFAWの支援を受けながらウクライナで活動していた獣医師のAndrew Kushnirさんのメッセージです。

▲『ブルーテント』で活動するAndrew Kushnirさん (写真提供:IFAW)


私はウクライナ人の血を引く獣医師です。戦争が始まった後、ウクライナとポーランドの国境に設置されたIFAWの活動拠点『ブルーテント』へ支援に向かいました。そこで目にしたのは、ポーランドに絶え間なく逃れていく避難者と、多くのペットの姿でした。

避難の途中は食べ物も水もほとんど手に入らず、彼らは寒さと疲れ・恐怖に苦しんでいました。それでも彼らのペットを診療し、食料や水・ペットキャリー・寝具・衣服を提供したことは、ペットと避難者双方に大きな意味がありました。とあるボランティアは「恐怖に行き場をなくしたような表情の避難者たちが『ブルーテント』に入ると笑顔になり、ほんの少しリラックスした様子で出てくるのを見る」と話していました。それを聞き私たちは、ペットだけでなく、飼い主である避難者たちも助けていたと気づきました。

だから、今回の寄付を下さった皆さまに感謝の気持ちを伝えたいのです。皆さまのおかげで、多くの活動が可能になりました。ウクライナの人々とペットを助けるために力を合わせてくれたことを、私は一生忘れないでしょう。

Andrew Kushnir

ウクライナから日本に避難した人への支援


アニコムでは現地への寄付の他にも、ウクライナから日本に避難した方々とそのペットへの支援※も行ってきました。これまで3組の避難者とペットに対して、ペットにかかる医療費などをサポートしました。

昨今の事態が収束し、避難者の方が帰国または自立して日本で生活ができるようになるまでの間、ペットにかかる必要な医療費(治療・予防問わず)について、全額支援いたします

「ウクライナ避難者のペットにかかる医療費を、アニコムが全額支援2022年4月19日

Anicom provides full medical expenses for pets of refugees from Ukraine

日本にやってきた猫、実際に支援を受ける

▲アニコムグループの『新宿御苑前どうぶつ病院』で診療を受けたウクライナ避難者の猫(ソルボーニィちゃん)

ウクライナから猫を連れて日本に避難してきたある女性は、8ヶ月齢の猫とともに、2022年8月にアニコムグループの『新宿御苑前どうぶつ病院を訪問。

猫はウクライナで爆撃が始まって以降爆撃の音を怖がり、家の隅に隠れていました。

爆撃だけでなく度重なる移動のストレス、また去勢ができていないことを心配し、健康診断と去勢手術のため来院。

女性は手術のために愛猫を病院に預ける際、一時的とはいえ離れることを気にかけ「大丈夫。置いていかないから」と優しく声をかけていました。手術後には「ペットのことを気にかけてくれるところは少ないので、とてもありがたい」と感謝。

女性と猫は今年も同院に健康診断やワクチンのため来院。体重は4kgから6kgに成長し、健康診断の結果も問題なく、元気に過ごしています。

引き続きアニコムでは、避難者とペットが少しでも安心して日本で過ごせるようにサポートします。

アニコムの募金については過去の記事を参考にしてください。

【ダム破壊による洪水】必死で動物をレスキューする人々

2023年6月、ウクライナのダムが破壊され、洪水が引き起こされました。

洪水の中で動物を助けようとする人々もいます。

ダム決壊で取り残された犬猫を保護 ウクライナ(2023/06/18更新)

【6月18日 AFP】ウクライナの首都キーウにあるパトロン・ペットセンターでは、カホウカ水力発電所のダム決壊により洪水が発生した南部ヘルソンで保護された犬や猫の支援を行っている。センターの幹部によると、保護活動を始めてから1週間で100匹以上を保護した。飼い主と再会した犬猫もいる一方、新たな飼い主に引き取られるケースもある。引き渡される前にすべての犬猫にはワクチン接種・避妊手術が施され、マイクロチップが装着される。(c)Anna MALPAS

AFBNews

2023年2月に紛争が始まってからすでに1年以上が経過しました。(2023年6月現在)

過去のウクライナの動物たちの写真

戦争が早く終わり、犠牲になる人も動物もいなくなりますように。

この記事の執筆者 / 監修者

らみえる
らみえる
🐾動物専門・ペット特化ライター&デザイナー
🐾猫専用ホテルキャッツカールトン代表
🐾慶應義塾大学卒
🐾動物取扱責任者・愛玩動物飼養管理士・登録販売者
🐾現在は猫4匹との暮らし。幼少時から犬、リス、うさぎ、鳥、金魚などさまざまな動物と過ごし、生き物を愛してやまない毎日。
🐾前職は大手企業で広報、編集校正やってました。
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