そのしっぽや耳、本当に“生まれつき”？─獣医師の7割が反対する断尾・断耳の処置とは

見た目のために行われる「断尾」「断耳」ってなに？

トイプードルの短いしっぽや、ミニチュア・シュナウザーの立った耳。実はこれ、生まれつきではないことが多いのをご存じですか？

「断尾（だんび）」「断耳（だんじ）」と呼ばれ、生まれてすぐの子犬にしっぽや耳を外科的に切る処置が行われているのです。

昔は怪我の防止など実用的な理由がありましたが、いまでは見た目を整えるために行われるケースがほとんど。ペットとして暮らす犬に本当に必要なのか、疑問の声があがっています。

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断尾を行う主な犬種リスト

断尾の伝統があるとされる代表的な犬種は以下の通りです。

• ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
• オーストラリアン・シェパード
• オーストラリアン・キャトルドッグ
• オールド・イングリッシュ・シープドッグ
• クランバー・スパニエル
• ケリーブルー・テリア
• ジャック・ラッセル・テリア
• シーリハム・テリア
• スカイ・テリア
• スコティッシュ・テリア
• スパニッシュ・ウォーター・ドッグ
• トイ・プードル
• ドーベルマン
• ノーフォーク・テリア
• ノーリッチ・テリア
• パーソン・ラッセル・テリア
• フィールド・スパニエル
• マンチェスター・テリア
• ミニチュア・ピンシャー
• ミニチュア・シュナウザー
• ヨークシャー・テリア
• イングリッシュ・コッカー・スパニエル
• イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

断耳を行う主な犬種リスト

断耳が伝統的・慣習的に広く行われてきた犬種を中心にまとめたリストです。

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• ドーベルマン
• ミニチュア・シュナウザー
• スタンダード・シュナウザー
• ジャイアント・シュナウザー
• ミニチュア・ピンシャー
• ボクサー
• グレート・デーン
• ナポリタン・マスティフ
• ブービエ・デ・フランダース
• アメリカン・ピットブル・テリア
• アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
• プレサ・カナリオ
• カネ・コルソ

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獣医師の約7割が「反対」と回答。その理由は？

動物のマッチングサイト「Breeder Families」を運営する株式会社ペトリコウェルが、全国の獣医師1,009人に意識調査を行ったところ、断尾や断耳に「反対」または「どちらかといえば反対」と答えた人は約7割にのぼりました。

反対理由には次のようなものがあります：

• 痛みや神経損傷で長く苦しむことがある
• 感染症や炎症のリスクが高い
• 耳やしっぽがなくなることで、犬同士のコミュニケーションがとりづらくなる

中には、うまく歩けなくなってしまうケースもあるとのことです。

世界では法律で禁止も。日本はまだまだ遅れている？

ヨーロッパをはじめ、オーストラリアやカナダの一部などでは、見た目のための断尾・断耳を法律で禁止している国もあります。
一方、日本にはまだ禁止する法律はなく、犬種の“見た目”を重視する流通や販売の事情から、今も続けられているのが現状です。

「知らなかった…」SNSで広がる驚きと後悔の声

SNSでは、「断尾があることを初めて知った」「うちの子も切られていたと知ってショックだった」という飼い主の声が多く寄せられています。

「見た目のために切るなんて…もっと早く知りたかった」
「うちの子のしっぽも短い。でも最初からだったから、気づかなかった」

知ってはじめて、「それは犬にとって幸せなのか？」と考えるきっかけになるのかもしれません。

「犬らしく、自然な姿で」──選べる未来もある

Breeder Familiesでは、断尾や断耳を行わないブリーダーだけを厳選して紹介する取り組みを進めています。健康や飼育環境なども含め、厳しい基準をクリアした「優良ブリーダー」から子犬を迎えることができる仕組みです。

たとえ昔からの「当たり前」であっても、犬の気持ちや健康を考えた新しい選択ができるようになってきています。

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その処置、本当に必要？──知ることから始めよう

犬のしっぽや耳を「切る」ということ。その背景には、私たちが思っている以上に深い問題があります。
かわいさや見た目のために行われてきた処置に、いま獣医師たちは「NO」を突きつけています。

まずは“知ること”から。犬たちにとって本当に幸せな未来を選ぶために、私たちも小さな一歩を踏み出せるかもしれません。

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