東京都立川市の商業施設「若葉ケヤキモール」に、保護犬シェルター「保護犬シェルターanifare 立川若葉ケヤキモール」が2026年9月17日(木)にグランドオープンしました。
買い物や食事で訪れる場所の中で、新しい家族を待つ保護犬たちが暮らしています。里親探しだけでなく、犬の飼育に悩む人の相談や、子どもたちのボランティア体験も受け入れる施設です。
この記事では、シェルターが掲げる考え方と取り組み、見学の方法を紹介します。
若葉ケヤキモールの中にできた「保護犬の住処」

シェルターがあるのは、若葉ケヤキモールの2階。受け入れられる保護犬は56頭。運営する一般社団法人アニマルウェルフェア東京の発表では、保護犬専門の常設シェルターとして、商業施設内では国内最大級の規模です。
運営団体は「anifare(アニフェア)」の名前で、保護犬と里親をつなぐ活動を続けてきました。自社のシェルターとイベント型の譲渡会を通じて、これまでに累計32,000頭を超える保護犬を新しい家族へ送り出しています。
東京では、八王子市の東京シェルター、ドッグシェルターanifareお台場に続く3つ目の拠点です。
商業施設の中に保護犬の住まいを置くねらいは、保護犬や動物福祉にこれまで縁のなかった人にも、知る・出会う・考える機会を日常の中につくることにあります。保護犬に会うために出かけるのではなく、いつもの買い物の途中で出会える場所です。
コンセプトは「保護犬 love and respect」
このシェルターのコンセプトは「保護犬 love and respect」です。
respect には「尊敬する」だけでなく、「尊厳を認める」という意味を込めています。人の尊厳を認めるのと同じように保護犬の尊厳も認め、社会の中で役割を持てる存在として向き合う、という考え方です。
anifareは「保護犬シェルターから humane society(ヒューメイン・ソサイエティ)へ」という理念も掲げています。humane society は、人と動物が互いの尊厳を認めながら共に生きる社会を指す言葉です。
保護犬を新しい家族へつなぐ場所であると同時に、保護犬と関わる体験を通じて、命の大切さや社会の課題を考える場所でもある。それが、このシェルターの目指す姿です。
「捨てる」から「託す」へ。飼えなくなったときの相談先として

犬を飼い続けられなくなる問題は、「最期まで飼う」か「捨てる」かの二択で語られがちです。
けれども実際には、飼い主の高齢化や病気、生活環境の変化などで、どうしても飼育を続けられなくなることがあります。anifareは、そうしたときに飼い主を責めたり排除したりするのではなく、より良い選択肢を社会として用意することが必要だと考えています。この考え方を表した言葉が、「捨てる」から「託す」へ、です。
家庭の事情だけが理由ではありません。2021年6月に施行された犬猫の飼養管理基準(環境省令)で、繁殖に使える年齢と出産回数に上限が設けられました。これにより、繁殖の役目を終えて次の飼い主を探す犬猫も多くいます。保護団体だけで受け入れられる頭数には限りがあり、社会全体で向き合う必要のある課題です。
anifareには、相談の窓口が2つあります。
- 飼育相談窓口:しつけや留守番、アレルギーなど、飼育に困っている人の相談を受け付けています。ドッグトレーナーの資格を持つアドバイザーが対応し、どんな理由でも相談者をとがめない方針を掲げています。手放す前に、飼育を続ける方法を一緒に探す窓口です
- 保護相談(里親探しの代行):一緒に暮らせなくなった犬をシェルターで預かり、新しい里親を探します
保護相談には受け入れの条件があります。犬専用の施設のため、猫は対象外です。体の大きい犬、7歳以上の犬、強い攻撃性のある犬、重い病気や介護が必要な犬などは、保護できない場合があります。費用は、シェルターまで連れて行けない場合の交通費のみです。
条件は変わる可能性があるので、相談するときはanifareの公式サイトで最新の案内を確認してください。
子どもたちが保護犬と向き合う「子どもボランティア体験」

anifareのシェルターでは、子どもたちが保護犬の世話を手伝う「子どもボランティア」を実施しています。対象は小学生から高校生までです。
この活動のいちばんの目的は、保護犬の「社会化」です。人との関わりや環境に慣れる機会を増やし、保護犬が新しい家庭に迎えられやすくなることを目指しています。
公式サイトに載っている体験の流れの例は、次のとおりです。
- スタッフ紹介と名札づくり
- 保護犬の紹介と、お世話の仕方の説明
- ごはんやおやつをあげる
- おむつの交換
- お散歩の練習
- 感謝状の進呈
子どもたちは保護犬とふれあいながら、「なぜ犬が捨てられてしまうのか」「犬はどんな気持ちなのか」といった問いに向き合います。感じたことは、作文や絵、写真で表現します。
参加は申し込み制で、応募者の中から抽選で参加者が決まります。2026年10月6日時点で公式サイトに載っている10月の開催予定は、ドッグシェルターお台場の分のみです。立川での開催日程は、公式サイトの「こどもボランティア」のページで確認してください。
保護犬を迎えたい人へ|見学の方法と知っておきたいこと
シェルターの営業時間は11:00〜20:00です。毎日13:00〜14:00は犬たちの健康管理と休憩の時間にあてられ、見学と面会は休止しています。
見学の予約は、次の3つの方法で受け付けています。
- 公式サイトの見学予約フォーム
- 公式Instagram(@anifare_tokyo)のDM
- 電話
予約フォームは、送信しただけでは確定しません。担当者からの連絡をもって正式に確定します。見学の目的には「どんなところか見てみたい」「保護犬と触れ合いたい」も選べるので、迎えると決めていない段階でも申し込めます。
里親を募集している犬は、anifareの公式サイトで見られます。場所を「若葉ケヤキモール立川シェルター」に絞って探すことも可能です。
迎える前に知っておきたい点は、次のとおりです。
- 保護犬は、獣医師による健康診断を受けてから新しい家族のもとへ行きます。ワクチン接種、マイクロチップの装着、駆虫などが主な内容で、血液検査やレントゲンなどの精密検査は含まれません
- お迎え時には費用がかかります。内訳は、保護活動を続けるための「活動支援金」、健康診断などの「リコンディショニングパック」、フードやケア用品の「お迎えセット」です。お迎えセットは必須ではありません
- 年齢や持病、これまでの飼育環境によっては、迎えたあとに医療費がかかる可能性があります
費用の金額や譲渡の条件は、見学のときにスタッフへ確認してください。
施設情報
- 施設名:保護犬シェルターanifare 立川若葉ケヤキモール
- 所在地:東京都立川市若葉町1-7-1 若葉ケヤキモール2階
- グランドオープン:2026年9月17日(木)
- 営業時間:11:00〜20:00(毎日13:00〜14:00は見学・面会を休止)
- 受入頭数:56頭
- アクセス:JR立川駅北口から立川バス(武蔵野美術大学行き・若葉町団地行き)または西武バス(東大和市駅行き)で「砂川九番」下車。西武鉄道の東大和市駅からは、西武バス(立川駅北口行き)で「砂川九番」下車
- 駐車場:若葉ケヤキモールの駐車場を利用(詳細はモール公式サイトのアクセスページ)
- 見学予約:公式サイトの見学予約フォーム、Instagram のDM、電話
- 電話番号:050-1785-4111
- 運営:一般社団法人アニマルウェルフェア東京
- 公式サイト:https://anifare.jp/shelter-tachikawa/
- 公式Instagram:https://www.instagram.com/anifare_tokyo/
掲載している内容は、2026年10月6日時点で確認した情報です。営業時間や見学の受け付け、イベントの日程は変わることがあります。出かける前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
まとめ
保護犬シェルターanifare 立川若葉ケヤキモールは、保護犬を新しい家族へつなぐだけの場所ではありません。飼育に悩む人の相談を受け、子どもたちが命について考える機会をつくり、地域と動物福祉を結ぶ拠点を目指しています。
買い物のついでに保護犬と出会い、少し立ち止まって考える。そんな時間が、「捨てる」から「託す」へと社会が変わっていく一歩になります。保護犬を迎えたい人も、まずは知りたい人も、足を運んでみてください。
出典
- 一般社団法人アニマルウェルフェア東京 プレスリリース(2026年9月17日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000059077.html
- anifare 公式サイト「保護犬シェルター anifare 立川若葉ケヤキモール」:https://anifare.jp/shelter-tachikawa/
- anifare 公式サイト「こどもボランティア」:https://anifare.jp/kids_volunteer/
- anifare 公式サイト「飼育相談窓口」:https://anifare.jp/adviser/
- anifare 公式サイト「飼えなくなってお困りの方へ」:https://anifare.jp/offer/
- anifare 公式サイト「お迎え時の費用について」:https://anifare.jp/fee/
- 若葉ケヤキモール 公式サイト(ショップガイド、アクセス・駐車場):https://wakaba-keyakimall.jp/
- 環境省「動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針」:https://www.env.go.jp/press/109612.html
この記事の執筆者 / 監修者

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動物専門・ペット特化のWebライター・ディレクター・デザイナー。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、大手企業で広報や編集校正の仕事を経て、猫専門ペットホテル・キャッツカールトン横浜代表、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。
幼少期から犬やリス、うさぎ、鳥、金魚など、さまざまな動物と共に過ごし、現在は4匹の猫たちと暮らしています。デザインと言葉で動物の魅力を発信し、保護活動にもつなげていきたいと思っています。







